Edo Side Story

【26】 日常と未来





「確かに、俺ァ、には幸せになって欲しいって思ってたよ。だから、テメーが追いかけるのも許したし、との交際も許した」

 万事屋で、銀時はソファーに座り、その向いにはと土方が座っている。

「だがな、だからって同棲なんてお兄ちゃんは認めませんっっっ!!!」
「同棲じゃねえー!! 屯所で保護するっつってるだけだろうがっ!!」

 怒鳴る銀時に、怒鳴り返す土方。
 ことの発端は、がこれからどうするかと言うことだった。坂本と共に宇宙に行くことは止めになったが、これから何処に住むかと言う話になったのだが。

「自分の女が、他の男と一緒に住むのを許すわけねえだろうがっ!!!」

 という土方の言い分に、万事屋に住むのは反対され、いつ高杉に狙われるか分からないという名目で屯所に住めと言い出した。

は俺の妹も同然だっつってるだろっ!! その妹をテメーみてーな狼のところにやれるかよっ!! 保護って名目でにやらしーことするつもりなんだろうっ!! 分かってんぞっ!!!」

 それを銀時に言えば、やはり、反対された。
 としては、どちらでも構いはしないのだが、二人は互いに相手のところにが行くのは気に入らないらしい。

「どうするんですか? このままじゃさん住むとこ決まらないですよ」
「どっちも譲りそうにありませんからねィ」

 怒鳴りあう二人を見て、新八と沖田は呆れている。

「だったら、いっそのこと、一人暮らしするのはどうアル?」
「一人暮らしねー。それもいいかも知れないわね」
「「ぜってーダメだっ!!!」」

 さっきまで言い合ってたのに、神楽のアドバイスを受け、一人暮らしもいいかもといえば、揃って反対される。

「一人暮しなんて、危ねえだろっ! お兄ちゃんは反対ですっ!」
「いつも守ってやれるとは限らねーんだ、何かあったらどーすんだ」

 こういう時だけ、二人の意見は一致する。
 だが、このままじゃ埒が開かない。
 結局、は万事屋に今まで通り住むことになった。今まで何も無かったし、銀時は兄も同然だと土方を説得し、なんとか収まった。
 万事屋には銀時だけでなく、神楽もいるし、下の階にはお登勢もいる。だから大丈夫だと言うに渋々土方は納得したのだ。
 その反面、勝ったとばかりに銀時は上機嫌だった。

「いいか、そこの銀髪に何かされそうになったら、俺に言うんだぞ」
「土方さんってば心配症ですね」

 真剣に言う土方に、はクスクスと笑う。

「ずっと銀ちゃんと暮すわけじゃないんですから。お嫁に行ったら大体の場合は、旦那様と暮すことになるんですよ?」
ッ!!! 何言っちゃってんのぉぉぉぉ?!」

 の発言に銀時は焦る。
 反対に、土方は目を丸くしたが、直ぐに笑顔になり、に向かって言う。

「ああ、そうだな。直ぐ実家とはさよならすることになるんだ、今のうちに楽しんどけ」
「はい」

 が笑顔で答えたとたん、銀時が割り込み、結婚はまだ許さないといい、そして、再び土方と口論になる。
 その様子をは笑いながら見ていた。


END 戻る

卯月 静 (08/10/28)